徒然と書いていこう

2015年07月14日

鍼灸院で働くということ@

当院にはちょいちょい勉強したい、習いたいという鍼灸師が訪れます。

それはそれでとても光栄なことですが、誰でもOKというわけではありません。

教えてほしいという気持ちや熱意にはとても感服するものがあります。自分もそうでしたからよくわかる。

まだ、学生の頃、自分の技術や知識を後進に教えない業界の諸先輩方に憤りを感じていたころがありました。

そう、教えてもらうことで技術・知識も後世に伝わるし、世の中の患者様のため、鍼灸の発展のためということになるのだから。

けちだなぁと。心が狭いなぁと。

鍼灸院への就職は、給料も雀の涙ほど、鍼も持たせてもらえない、ましてや教えてもくれない、なんで???の連続でした。こき使われるだけだし、時間の無駄。このけちんぼ!!!みたいにね。


いま、逆の立場にいます。

どうしてそうなるかを説明していきます。

学生上り、新卒はほとんどといっていいほどですが、学校で先生に聞けば教えてもらえます。
なぜか?
学校の先生は教えるのが仕事です。
それでお金をいただいております。
そのお金はどこから来ているか?
学生さんの払う学費です。

ですから、学生さんはお金を払って教えていただいているのです。

鍼灸の資格を取る勉強をしたいから学校に行きます。相当のお金を払っているはずです。
試験もあるし、誰でも無料・フリーで受け入れているわけではありません。

そう、勉強するということはお金がかかることなんです。

それを無料で教えてくれて、しかも働くからお金も十分にいただけないというのはいかがなものでしょう?

さて、働くということ。

鍼灸は技術職です。そして対人コミュニケーション能力も必要とされます。意外かもしれませんが体力も必要です。

では、学校でたての学生さんは何の仕事ができるでしょう?

鍼と灸??

教えてくれればできる?

そんなに簡単にできるのでしたら楽ですね。

学生の頃、よく勉強されていて、よく練習している方はたくさんいました。
上手いといわれる人もたくさんいました。

でも、プロの現場でのレベルは、もっと高いです。想像以上だと思います。すぐに鍼を持たせてもらえるところは、その程度でも通用するということです。

ちょっと自分に鍼を打ってもらいますが、全然だめです。いや、ほんとに。
むしろ危険なぐらい。
学生の腕自慢なぞたかがしれています。


あなたが満足する量のお金をあげてまで練習させないといけませんか?
お金を上げて、日々の臨床で疲れているのに時間を割いてまで、教えないといけませんか?
今まで色んな失敗を乗り越えてきた経験を、あなたにお金を上げてまで教えて伝えないといけませんか?

あなたにそこまで私にさせる義理はなんですか?

給料が少ない理由の一つはそういうことです。


そして次の段階。

あなたは何なら治せますか?

これ大事。

肩の治療ができます。
腰の治療ができます。
もしくは、首の治療をしたことがあります。

できるというからには、どのくらいできますか?
来た患者様のほとんどを満足させることができますか?治すという言葉は慎重に使わないといけませんが、治るものは治せないとね。そしてそれを確実にできますか?

したことがあるのと、できるのは違います。当たり前ですよね。
したことがあるのは最低限です。
あなたは何ならできますか?

まず、ほとんどの学生上りの方は何もできないに限りなく近いです。症例がほとんどないに等しいのですから。鍼を打たせてもらったのも家族・友人・知り合いといったところでしょうか。全くの赤の他人の患者さまはある意味評価が最もシビアですけどね、お忘れなく。

半年・一年は患者さんをさせてもらえないということについて。

あたりまえです。

新人に新患見せてこなくなるのは当たり前。

それで治療院の評価は低くなるのですよ。今まで頑張ってきたのに。
一人の患者様をみて、治療し、結果が出るとほかの患者様をご紹介いただける場合があります。
それがなくなっていくわけです。つまり使いものになるまで給料以上の損失が拡大していくのです。見込める患者様までなくすというリスクを負いながら。

あなたが患者様ならあなたに治療してほしいですか?

プロの鍼灸師はできないことはできないとします。

でも、できることは確実にできるとします。確実性。学生上りにはまずありえないものです。

では技術はすぐにつくかというと、熟成させる時間が必要です。本当に鍼が打てるようになってくるのは最低でも3年ぐらいかかります。それまでこちらは辛抱以外の何物でもありません。

あなたの失敗をすべてフォローしながら見守るのです。

くどいようですが、お金を払い、知識、技術を教えてあげてまでそこまであなたにしないといけませんか?

そこまであなたにしてあげないといけないのなら、あなたは何者ですか?

長いので第一部完。後半へ続きます。

posted by あけぼの at 17:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする